『ロング・グッドバイ』 レイモンド・チャンドラー

mystery...1


ハードボイルド御三家の1人、レイモンド・チャンドラーが、
1953年に発表した本書は、その年のアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞を受賞し、
名作として語り継がれている。


1974年に、エリオット・グールド主演で映画化された、
『ロング・グッドバイ』は、本国アメリカでは低評価に終わったものの、
その新しい探偵像は、松田優作など、日本のアクション俳優に多大な影響を与えた。


日本では、作家村上春樹が2007年に新訳を発表したり、
2014年には、NHKでテレビドラマ化されるなど、
世代を超えて人気のあるハードボイルドだ。


物語は。私立探偵フィリップ・マーロウが、億万長者の娘、
シルヴィアの夫テリー・レノックスと知り合うところから始まる。


互いに友情を深めあう二人だが、
テリーはシルヴィア殺しの容疑をかけられ、自殺してしまう。


マーロウは事件の真相を探るべく調査に乗り出す――。


この作品の中で、余りにも有名なシーンは、
マーロウとテリーが語り合う中で、テリーが発した言葉、
「ギムレットにはまだ早すぎる」だろう。


何気ない言葉なのだが、その裏には事件の真相に繋がるヒントが隠されている。


他にも、「さよならを言うのは、僅かの間死ぬことだ」など、
名台詞の宝庫となっている。


何よりも、本作がハードボイルドの世界に与えた影響は、
この作品以後、探偵の一人称独白による構成が、
ハードボイルド小説の形式として、定番化したことだ。


今日においてもその影響は強く、国内外問わず、
ほとんどのハードボイルドは、同様の形式で書かれている。


まさに名作中の名作と言えるだろう。





Leave a Comment